長男が実家を独占しようとしています。
2026.06.03
母が亡くなり、福岡市西区の実家を兄妹3人で相続することになりました。
ですが長男(兄)が「自分が母の介護をしてきたから寄与分として実家は自分のもの」と言い出し、まったく譲りません。
確かに最後の2年は同居して介護していましたが、ヘルパーさんも入っていましたし、私と妹も交代で通っていました。
他に預貯金が1,500万円ほどあるのですが、それでは到底法定相続分には足りません。
寄与分はどこまで認められるものなのでしょうか。
また、長男の主張をそのまま受け入れずに、公平に分割する方法はありますか。
遺言書はなく、葬儀の段取りも長男が仕切ったため、私と妹は何も知らされていません。
家庭裁判所に調停を申し立てる以外に、まずできることがあれば教えてください。
不動産のプロ視点からのアドバイス
お母様を亡くされたとのこと、心よりお悔やみ申し上げます。
悲しみも癒えない中で、ご実家の相続をめぐってご長男と意見が対立し、大変なご苦労をされていることとお察しいたします。
不動産業者として、これまで数多くの相続トラブルやご実家の売却・分割を見てきた立場から、ご質問の点についてアドバイスをさせていただきます。
1. 長男の「寄与分」はどこまで認められるか
結論から申し上げますと、裁判所等で「寄与分」が認められるハードルは非常に高いのが現実です。 法律上、親族には「互いに扶養する義務」があるため、通常の介護(同居して身の回りの世話をする等)は「家族としての当然の助け合い」とみなされがちです。
ヘルパーさんを利用していたこと
ご相談者様や妹様も交代で通ってサポートしていたこと
これらの事実がある場合、ご長男の「特別な貢献によって親の財産が維持・増加した」と証明するのは極めて難しく、ご長男の主張がそのまま100%認められる可能性は低いと考えられます。
2. 公平に分割するための方法(不動産視点)
ご長男が実家を取得しつつ、他のご兄弟も納得する「公平な分割」としては、主に以下の2つの方法があります。
代償分割(だいしょうぶんかつ): ご長男が実家を相続する代わりに、ご相談者様と妹様に「ご長男自身の自己資金」から法定相続分に相当する現金を支払う方法です。預貯金1,500万円だけでは足りない場合、ご長男がご自身の貯金から支払うか、代償分割用のローンを組む必要があります。それができないのであれば、実家を独占することは現実的ではありません。
換価分割(かんかぶんかつ): どうしても資金的に代償分割が難しく、話し合いが平行線になる場合の最終手段です。実家を売却して現金化し、預貯金1,500万円と合わせて3人で公平に分ける方法です。
※「共有名義」にするのだけは絶対に避けてください。 将来、売却や修繕をする際に全員の同意が必要になり、次の世代(お子様たち)にさらに複雑なトラブルを残すことになります。
3. 調停の前に、まずできること
家庭裁判所の調停は精神的にも時間的にも負担が大きいため、その前に以下のステップを踏むことをお勧めします。
実家の「正確な現在の価値(査定額)」を把握する 「法定相続分に足りない」と判断するためには、実家が今いくらで売れるのかという客観的な数字が不可欠です。
固定資産税評価額ではなく、不動産会社による「実勢価格(市場価格)の査定書」を取得してください。第三者のプロが出した査定書があることで、ご長男も「今の実家の価値」を冷静に受け止めざるを得なくなり、話し合いの強力な材料になります。(私どものような不動産会社で無料で作成可能です)。
介護の客観的な記録を集める 介護保険の利用履歴、ヘルパーさんの訪問記録、ご相談者様たちが通っていた交通費の履歴など、「ご長男ひとりの力だけではない」ことを示す客観的な事実を整理しておきましょう。
相続に強い専門家(弁護士・司法書士)の無料相談を利用する 当事者同士の話し合いは感情的になりがちです。不動産の価値が分かった段階で、その査定書を持って専門家に相談し、「法律的にはこうなる」という見解をご長男に伝えてもらう(または代理人に入ってもらう)のが最もスムーズです。
まずは、お近くの不動産会社に「相続の話し合いのために、実家の査定書を作ってほしい」とご依頼されることから始めてみてはいかがでしょうか。私どもでも、提携する士業の先生と連携しながらサポートすることが可能です。
ご兄弟での話し合いが、少しでも前進することを願っております。

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