妻の旧姓口座に頭金があります
2026.06.13
妻の旧姓口座に頭金があります
妻と中古マンションを購入予定です。
頭金として600万円ほど入れる予定なのですが、そのうち400万円は妻の旧姓の口座に入っています。
結婚後も使っていなかった口座で、妻が独身時代に貯めていたお金です。
今回の購入で使おうと思い、銀行に相談したところ、資金の出どころを確認されるかもしれないと言われました。
物件名義は夫婦共有にする予定ですが、住宅ローンは私が主債務者、妻が連帯債務者になる予定です。
旧姓口座から頭金を出す場合、贈与や名義の問題が出るのでしょうか。
妻のお金なので問題ないと思っていましたが、名義や持分割合をどうすればいいのか分からなくなっています。
住宅ローン審査や登記のときに、何か注意する点はありますか。
不動産のプロ視点からのアドバイス
奥様が独身時代にコツコツ貯められた大切な資産を頭金に充てられるとのこと、素晴らしいですね。
「妻自身のお金だから問題ない」と思われがちですが、日本の税法や不動産登記のルール上、名義や資金の出し方、持分割合を間違えると「贈与税」が課税されてしまうリスクがあります。
住宅ローン審査や登記を進めるにあたり、注意すべきポイントを分かりやすく整理しました。
1. 妻の「旧姓口座」の資金は誰のもの?
結論から言うと、結婚前に貯めたお金は奥様の固有財産(特有財産)です。結婚後に夫婦で築いた「共有財産」とは区別されます。
しかし、口座名義が「旧姓」のままであるため、銀行や税務署から見ると「本当に奥様本人の資金なのか?(親からの贈与や、夫からの名義借りを疑われる)」という点で、資金の出どころ(原資)を確認される可能性が高くなります。
🚨 最大の注意点:贈与税のリスク
物件の所有権(持分割合)を決めるとき、「お金を出した割合」と「登記する持分の割合」が一致していないと、差額分が「贈与」とみなされます。
例えば、総額3,000万円の物件に対して、夫がローンで2,400万円、妻が頭金で600万円を出す場合、持分は「夫:5分の4(80%)、妻:5分の1(20%)」とするのが原則です。
これを「なんとなく半分ずつ(各50%)」に登記してしまうと、妻から夫へ差額分の贈与があったとみなされ、夫に贈与税がかかる可能性があります。
2. 住宅ローン審査・登記における3つの注意点と対策
スムーズに手続きを進めるために、以下の3つの対策を必ず行ってください。
① 旧姓口座の名義変更(改姓手続き)を最優先で行う
銀行での住宅ローン審査や、不動産売買の決済(お金の振込)の際、旧姓名義のままだと本人確認や資金移動の審査が非常に厳しくなります。 まずは物件の契約・ローン本審査までに、奥様の現在の名義(新姓)へ変更手続きを完了させてください。その際、通帳の過去の履歴(独身時代からコツコツ貯めていた証明)が消えないよう、古い通帳も手元に保管しておきましょう。
② 出資比率に応じた「持分割合」を算出する
物件の購入総額(本体価格+諸費用)に対して、夫婦それぞれがいくら負担するのかを正確に計算し、その比率の通りに登記(持分設定)をします。
夫の負担分: 住宅ローンのうち、夫が実質的に負担する額
妻の負担分: 頭金(600万円) + 住宅ローンのうち、妻が実質的に負担する額
💡 連帯債務の場合の注意点 ご主人が主債務者、奥様が連帯債務者の場合、税務署は「ローンを二人でどういう割合で返済していくか(例:夫7割、妻3割など)」を総合的に判断します。この返済割合と、頭金の額を合算して最終的な持分割合を決めます。
③ 資金の「足跡(エビデンス)」を残す
税務署からの問い合わせ(お尋ね)があった場合に備え、奥様の口座から直接、不動産会社や指定の決済口座へ振り込みを行うようにしてください。 「一度、夫の口座に600万円を移してから支払う」という形をとると、それだけで「妻から夫への贈与」と疑われる原因になります。お金の移動は常に「誰が誰に払ったか」が通帳に印字で残る形にしましょう。
3. 今後の具体的なアクションプラン
銀行(旧姓口座の金融機関)へ行く 婚姻届の提出が証明できる戸籍謄本(またはマイナンバーカード等)を持参し、名義変更を行います。
不動産会社・司法書士に相談する 「妻の特有財産から600万円、残りを連帯債務のローンで支払う場合、持分割合をどう設定すべきか」を、売買契約の前に担当の不動産会社や、登記を担当する司法書士に相談してください。
税理士や税務署の無料相談を活用する 連帯債務のバランスと持分割合に不安がある場合は、購入前に管轄の税務署や税理士の無料相談窓口で「この割合で贈与税の問題はないか」を確認しておくと完璧です。
奥様が大切に貯めてこられた資産を正しく活かし、安心して新しいお住まいを迎えられるよう、まずは口座の名義変更から進めてみてくださいね。
※本回答は一般的な税法・手続きに基づくアドバイスです。個別の具体的な税額計算や持分比率の確定については、事前に税理士や管轄の税務署、担当の司法書士へご相談ください。

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