亡くなった父の借地権付き建物

2026.08.12

亡くなった父の借地権付き建物、地主が名義変更を承諾してくれません

父が2年前に亡くなって、実家は借地の上に建てた一軒家でした。

土地は地主さんのもので、毎月地代を払っていたんですが、父の名義から私への名義変更を申し出たところ、地主さんが「承諾できない」と言ってきました。

相続での承継には地主の承諾は本来要らないと聞いたこともありますが、地主さんは「うちの土地だから、次の借主を認めるかどうかはこちらが決める」と強気です…

毎月の地代だけ受け取って、名義変更の承諾書にはサインしないという状況が続いています。

このまま売却や活用もできないのか、それとも地主の承諾なしで登記を進められるのか、どうしたらいいのか混乱しています。

2026081201-1
2026081201-3
2026081201-2
2026081201-4

不動産のプロ視点からのアドバイス

結論から申し上げますと、「相続」によって親から子へ借地権を引き継ぐ場合、地主の承諾は必要ありません。

 

地主さんが強気な態度をとられていると不安になると思いますが、法律上はあなたに有利な原則があります。以下の3つのポイントに整理して簡潔にお伝えします。

1. 相続に「地主の承諾」と「承諾料」は不要です

借地権を相続人(この場合はお子様であるあなた)が引き継ぐことは、法律上「当然の権利」とされています。そのため、地主の承諾や許可は不要であり、名義変更のための「承諾料(ハンコ代)」を支払う義務もありません。

 

2. 建物の名義変更(相続登記)は単独で進められます

借地の上にある実家(建物)の相続登記(名義変更)は、地主の承諾書やサインがなくても、法務局で手続きを進めることができます。まずは司法書士などに依頼して、建物の名義をご自身に変更してしまうことをお勧めします。

 

3. 将来「売却」する場合には承諾が必要です

「相続すること」自体に承諾は不要ですが、将来その家と借地権を「第三者に売却したい」となった場合には、地主の承諾が必要になります。 もしその時にも地主さんが承諾してくれない場合は、裁判所に申し立てて「地主の承諾に代わる許可(借地非訟手続き)」をもらうことで売却が可能になりますので、完全に身動きが取れなくなるわけではありません。

 

今後の対応についてのアドバイス

地代の支払いは絶対に続けること 地主さんが受け取ってくれている間は、これまで通り確実に地代を支払い、証拠(振込履歴や領収書)を残しておいてください。もし受け取りを拒否された場合は、「供託(法務局にお金を預ける制度)」を利用して未払いを防ぐ必要があります。

専門家に相談する 地主さんとの直接の話し合いはストレスになり、言った・言わないのトラブルになりがちです。まずは、弁護士や司法書士などの専門家に一度ご相談されることを強くお勧めします。専門家から地主さんに「法律上、承諾は不要である」と通知してもらうことで、あっさりと解決することも多いです。

今はご不安が大きい時期かと思いますが、法律上はあなたが守られる立場にあります。一人で抱え込まず、ぜひ専門家のサポートを頼ってみてください。