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2024年02月20日

『ニッポン無責任時代』(ニッポンむせきにんじだい)は、1962年(昭和37年)7月29日公開のコメディ映画。監督、古澤憲吾。主演、植木等・ハナ肇。

クレージー映画の記念すべき第1作。当時『シャボン玉ホリデー』(日本テレビ)で人気を上げたクレージーキャッツ、中でも『スーダラ節』を大ヒットさせていた植木等をメインに、“お姐ちゃんシリーズ”で知られていた「お姐ちゃんトリオ(中島そのみ、重山規子、団令子)を絡ませた作品である。従来のサラリーマン喜劇と異なる破天荒な主人公を描いた本作品は予想外の好評となり、1971年(昭和46年)公開の『日本一のショック男』(監督:坪島孝)まで、30作が制作される事となる。本作は、もともとは社長シリーズの企画にも携わっていた、当時東宝文芸部社員だった田波靖男が、会社に忠実なサラリーマン物のアンチテーゼとして「無責任社員」というストーリーを書き上げていた。フランキー堺の主演映画の企画として売り込んだがボツになり、そのままにしていたところプロデューサーの安達英三郎からクレージー・キャッツの「スーダラ節」のヒットにあやかって映画を作りたいと話を持ちかけられ、このストーリーを出したところ賛同され、クレージー・キャッツのメンバーを割り振る形でシナリオにしたものである。のちに古澤憲吾監督の意向で脚本家の松木ひろしが手を入れる形になるが、基本は田波靖男が単独で執筆したものである。

物語のあらすじは、

正体不明の無責任男・平均(たいら ひとし。植木等)は、バーで太平洋酒が乗っ取られそうな話を聞くと、太平洋酒社長・氏家勇作(ハナ肇)に「太平洋酒を乗っ取ろうとする者がいる」とコネをつけ、太平洋酒の総務部に入社した。そして均に任された仕事は、大株主の富山社長(松村達雄)を買収する事。早速富山に会い、小切手1つで見事に成功し、係長に出世。ところがバーの女・京子(中島そのみ)から「黒田物産の黒田有人社長(田崎潤)が富山から株を買った」と知らされショック! それもそのはず、乗っ取り屋として知られる黒田は山海食品社長・大島良介(清水元)を後ろ盾にしていたのだ。かくて富山に裏切られた均はクビになるが、バーで出会った黒田に気に入られ、再び太平洋酒に復帰、部長となった。やがて太平洋酒はビールを売る事となり、均は北海物産の石狩熊五郎社長(由利徹)とのホップ売買契約を任される。均はお色気攻撃で契約する事に成功するが、黒田に「お色気など言語道断」と叱られ、会社の金を使い込んだと責められて又クビに。ならばとばかり均は会社を去るが、氏家前社長の息子・孝作(峰岸徹)と偶然出会う。孝作は大島社長の娘・洋子(藤山洋子)と駆け落ちをしていたのだ。一方娘のゆくえを心配した大島に、均は「娘の居場所を教えるから、氏家を復帰させろ」と要求。その結果、氏家は太平洋酒の社長に復帰を果たすが、その代償として均は、太平洋酒の実質的な支配者となった大島から放逐されてしまう。しかしその1年後。孝作・洋子の結婚式に、均がとんでもない姿でやって来た……!!