「ガンカー・プンスム/ブータン」

2022年10月20日

ガンカー・プンスム(Gangkhar Puensum)はブータンの最高峰であり、「人類が未だ登頂していない山」の最高峰でもある。標高は7,570m。1983年(昭和58年)にブータンが登山を解禁してから、1985年(昭和60年)と1986年(昭和61年)に4つの遠征隊が登頂に失敗している。ガンカー・プンスムは1922年(大正11年)に初めて標高が計測されたが、地図は正確ではなく、山は別の場所に全く異なる高さで表示されていた。実際に、不正確な地図のため、最初の登山隊は山を発見することが全く出来なかった。1986年(昭和61年)のイギリスの遠征隊は標高を7,549mとし、すぐ近くのクーラ・カンリが完全にチベット内にある一方でガンカー・プンスムは完全にブータン内にあるとした。クーラ・カンリは標高7,554mで、北東へ30km行ったところにある別の山であり、初登頂は1986年(昭和61年)である。1994年(平成6年)から、ブータンでは6,000m以上の山への登山は地域の宗教信仰に反するとして禁止され、2003年(平成15年)からは登山は完全に禁止されている。ガンカー・プンスムはしばらくその独特な状態を保つかもしれない。ガンカー・プンスムより標高が高い未登の頂はどれも衛星峰であり、主峰ではないからである。1998年(平成10年)に、日本の登山隊が中国登山協会から登頂許可を入手したが、ブータンの政治問題により許可は取り消された。その代わり、1999年(平成11年)に、チベット側からの登山を行い、標高7,535mの衛星峰であるリャンカン・カンリ(ガンカー・プンスム北峰としても知られる)への登頂に成功した。多くの地図と異なり、登山隊はこの頂上はチベット内にあり、チベットとブータンとの国境は標高7,570mの"ブータンの最高峰"であるガンカー・プンスムの頂上を横切っていると報告している。この標高は日本の情報により支持され、次いで中国の情報に準拠した。これはまだブータンでは調査されていない。

1