「ポベーダ/中国・キルギス」

2022年10月27日

ポベーダは、中国とキルギスの国境に位置する山。標高は7,439mであり、天山山脈の最高峰である。また、キルギスの最高峰でもある。天山山脈の支脈カクシャール(Kokshaal-Too)にあり、イシククル湖の南東に位置する。中国側は「新疆天山」の構成資産として、世界遺産に含まれている。この山のキルギスでの正式名称は、キルギス語で「勝利峰」を意味し、中国では、ウイグル語で「鉄」を意味する。ポベーダ山はいくつかのピークを持つ山塊であり、主峰のみが7,000mを超える。ハン・テングリ(7,010m)の16kmほど南西に位置し、南イヌイリチェク氷河によって分け隔てられている。双方の山に登るためのベースキャンプはこの氷河に設けられることが多い。1946年(昭和21年)にこの山の測量が行われるまで、天山山脈の最高峰はハン・テングリであると思われていた。初登頂は1956年(昭和31年)にヴィタリー・アバラコフにより成し遂げられた。なお、未検証であるが1938年(昭和13年)に登頂したという記録もある。ロシア名のポベーダは勝利の意味であり、第二次世界大戦でソビエト連邦が戦勝した直後に改名されたものである。冬季における初登頂は1990年(平成2年)2月に成し遂げられた。

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