「ヴィンソン・マシフ/南極大陸」

2022年11月04日

ヴィンソン・マシフ(Vinson Massif)は、南極大陸最高峰の山。標高は、2004年のGPS測定で4,892mに改訂。それ以前は4,897mであった。南極半島の付け根付近にあり、1966年(昭和41年)12月、アメリカアルパイン協会とナショナルジオグラフィック協会の協力を得たニコラス・クリンチを隊長とするアメリカ隊が初登頂に成功。ヴィンソン・マシフは巨大な山塊 (Massif)であり、長さ21 km、幅13 kmで、エルスワース山脈のセンチネルレンジにある。南極半島の付け根近くのロンネ棚氷を見下ろすことができ、南極点まで約1200km程度の位置にある。2006年11月、アメリカの南極地名諮問委員会は、マウント・ヴィンソンとヴィンソン・マシフは別の存在であると言明した。マウント・ヴィンソン は、ヴィンソン・マシフの頂上にある高原の北部にあり、センチネルレンジの主脈の南部にある。初登頂は1966年で、2001年の探検では初めて東側ルートから登頂された。そのとき同時にGPSで頂上の標高が測定された。2010年2月の時点で約1,400人がマウント・ヴィンソンの頂上に着いたと見積もられている。野口健は、ヴィンソン・マシフの印象を「なだらかな真っ白い頂きに女性的な優しさすら感じた」と述べている。何年もかけて、ヴィンソン・マシフの頂上に降り積もった限られた量の雪が固められ、氷河を形成する氷になる。これらの氷河は地形に従って山塊にある谷へ流れ落ちていく。最上部の氷河はマウント・ヴィンソンの北面のJacobsen Valleyを占めていて、西のBranscomb氷河と東のCrosswell氷河へ分流していく。Crosswell氷河はEllen氷河を経由してRutford Ice Streamへ流れ込む。ヴィンソンに登るのは、南極を普通に旅することよりも技術的にやや難しい。また、七大陸最高峰の一つとして資金が潤沢な登山家の注目を集めている。 多様なガイドを引き連れてマウント・ヴィンソンに登るには、チリから南極へ渡る料金も含めて、典型的には一人当たり30,000ドルかかる。