「菅沼/群馬県」

2022年12月01日

菅沼(すがぬま、すげぬま)は、群馬県利根郡片品村にある湖沼。「日光国立公園」内にあり、「日本百景」、「新日本観光地百選」、「21世紀に残したい日本の自然百選」に選ばれている。水の透明度は本州一である。片品村の東部、日光白根山(標高2,758m)の北麓に位置する。標高1,731m、湖面積0.77k㎡、周囲長6.5km、水深は最大で75mである。湖岸線は複雑に入り組んでおり、大きく3つの湖に分かれている。これらは東から順に、「清水沼」・「弁天沼」・「北岐沼(きたまたぬま)」という名前が付いている。菅沼の水は西の「八丁滝」より流出し、丸沼へと至る。この滝は菅沼から丸沼までの8町を、水が勢い良く流れ落ちるところから名付けられたとされ、「八町滝」とも書く。日光白根山由来の溶岩で川がせき止められて誕生した堰止湖である。1930年代、当地に水力発電所が建設され、下流の丸沼へと水を落としたことから、もともと1つの湖だった菅沼は3つに分かれた。現在でも水力発電の影響で水位の上下があり、湖岸が荒廃する原因とされている。湖沼型(湖沼を物理的・化学的・生物学的性質によって総合的に分類したもの。湖沼標式とも呼ばれる。通常は、そのなかでも生物生産と環境要因の観点から分類したものを指す。)は貧栄養湖の様相を示す。雪解け水が流れ込むことから、夏でも低水温である。透明度は13.2mで、日本の湖沼としては最も深い北海道の摩周湖(28m)、倶多楽湖(くったらこ、22m)、支笏湖(しこつこ、17.5m)、パンケトー(釧路市にある淡水湖、14m)に次いで5番目であり、本州の湖沼としては山梨県の本栖湖(もとすこ、11.2m)や長野県の青木湖(9.8m)を抑えて1番目である。。かつては19mとの記録もあったが、国道120号線開通により周辺の山々からの水が道路の側溝を通じて流入し、透明度が10m前後を推移するようになった。