「霞ケ浦/茨城県」

2022年12月22日

霞ケ浦(かすみがうら)は、茨城県南東部に広がる湖。面積は琵琶湖についで日本で二番目に大きい。西浦北浦外浪逆浦(そとなさかうら)、北利根川鰐川常陸川の各水域の総体であり、一部水域は千葉県北東部にも跨がる。河川法ではこの範囲を「常陸利根川」という利根川の支川としている。湖沼水質保全特別措置法指定湖沼である。湖面積220.0で茨城県最大。主な水域別の面積は次のとおり。

・西浦:172 ・北浦:36 ・外浪逆浦:6 ・常陸利根川:6

なお、平野部に位置するため流域面積は2,156.7と広く、茨城県の面積の約3.5%を占める。水際線延長は249.5kmで、これは日本最大面積の湖である琵琶湖(235.0km)の水際線延長を超える。平均水深は約4m、最大水深は約7m、年間流下量は約14億、貯留量は約8.5億。主な流入河川は桜川、恋瀬川、巴川、小野川などである。太平洋岸気候区にあるため、梅雨期と台風による降水が多く、冬は晴天が多く降水量が少ない。特に周辺では冬に「筑波颪(つくばおろし)」と呼ばれる強い北西の季節風が吹く。流域の年間平均降水量は約1,300mmで全国平均(約1,780mm)に比べると少なめである。北には涸沼(ひぬま。茨城県中部の鉾田市、東茨城郡茨城町、大洗町にまたがる那珂川水系の汽水湖。)があり、南には利根川が流れ、北西には筑波山(標高877m)を擁している。周辺は、台地と低地が入り組んだ場所が多く、筑波山は周辺の最高点であるため潮来市など比較的遠く離れた場所でもよく望むことができる。西浦と北浦の間の大部分は海抜30m程度の行方台地となっており、広大な農業地帯である。元々は「浦」という名前が示すように海の入り江に由来し、砂州や河川堆積物によって出口を閉ざされたラグーンである。そのため、時期や場所によって塩分濃度に違いはあるものの、かつての湖水は塩分が混じる汽水であった。特に1950年代から1960年代には、下流の河川改修(浚渫)の影響で海水が遡上し、近年では最も汽水化が進んだ時期だった。当時を知る人々にとって「汽水湖」という印象が強いのはそのためである。しかし、1963年(昭和38年)に治水と塩害防止を目的にして竣工した常陸川水門(逆水門)を利用することで淡水化が進行した。そのため、現在はほぼ淡水湖とかわらない状況にある。霞ヶ浦は釣りやヨット、水上オートバイなどのレジャーに利用されているほか、湖上には遊覧船・観光帆曳船が運航されている。「日本百景」に選定されており、高度成長期以前は、独特の水郷景観を特徴とした観光地でもあった。